 「鈴木さん、今度の日曜日は暇有りますか」金曜日の午後のこの電話で騒ぎが始まりました。
ゲートシティ大崎で「手品？MAGIC？トリック」展という大きな催しがあるのは知っていました。
これは2006年8月19日〜27日の間、河合勝先生のマジック関係のコレクションの大規模な展示会と先生の30分間のマジックショーが毎日12時、14時、16時の３回行なわれると言うものでした。
ただ、最後の27日(日)は河合先生に用事が有ってマジックショーは無いと言う予定でした。
処が、この催しが読売新聞に載ったのと、この最終日が日曜日である事を考えるとお客が多くなる事は間違いないという話になりました。
お客さんが多い最終日にマジックショーがないのは不味いですね、何とかマジックショーをやりたいと河合先生が希望されて、植木さんに出演依頼がありました。しかし植木さんは用事が有って出演が出来ず、植木さんから私に打診が有りました。
この話を聞いたのは金曜日の午後で、河合先生は明日の土曜日に最後のマジックショーを済ませて愛知県にお帰りになる、先生と打ち合わせが出来るのは明日の土曜日午前中だけでした。
さらに慌てたのはマジックのBGMはMDしか使えないと言う事でした。時間は無いしMDなんて持っている人は見付からないという事で、土曜日の朝早く大崎に出かけて先生と打ち合わせをする事にしました。BGMはカセットテープで良いと現場の音響担当のOKが出て一段落しました。
共演者は家内と嫌がる鳥海さんを口説き落として一応落ち着いたのは土曜の夜でした。
それから演目を決めて鳥海さんと調整をし、しまってある道具を引っ張り出してスーツケースに詰めてやっと準備が終りました。
3回の演技は同じ物でも良いとの事でしたが、同じ人が続けて見る可能性があるので道具も沢山準備して行きました。
会場は100人くらいの観客で反応が良く充分こちらも楽しめました。
しかし又問題が起りました。主催者側から「お客がとても増えて，収拾が付かなくなったので12時と2時のショーの間にもう1回30分のショー入れて頂けませんか」と言う要請があったのです。
結局 演技は4回行なう事になり、30分の演技をして、30分で準備して、また次の30分の演技をすると言う事になりました。帽子卵の演技などはコップを洗ったりネタを仕込んだりと大忙しでした。
途中で植木さんが駆けつけて司会を引き受けてくれました。
演じたものは大体次のようなものでした。
正子が
1．新聞から（シルク）
2．水とシルクの雲隠れ
3．シルクカット
4．3連シルクとスクエアブレンド
私が
1．四ツ玉とサムチップ（3.5分）
2．白紙がお札に、使っても減らないお札 (3.5分)
3．黄色いブロックの移動(当てもの、消える) (4.0分)
4．シルク→卵→帽子卵 (5.5分)
5．スーパードリームバッグ（2.5分）
6．ボトルの出現、消失（2.5分）
鳥海さんが
1．赤白シルクが縞シルクになる
2．パンフレットの復活
3．絵が出て色が付くノート
4.カードマジック
5．リング（子供を舞台に上げて）
河合先生のコレクションを見に来た奇術家が我々のマジックショーも見て下さいました。YMGでは中村さん、堀さん、知り合いのアマチュアマジシャンも何人か見えていました。
演技中に日本奇術会の児玉さんと目が合ってニッコリしたりと、客席が明るいのでお客さんの顔がよく見えて楽しく演技が出来ました。
特記すべきは渚晴彦師が来られた事です、「河合さんのコレクションを見にきたら鈴木さんがマジックをやっているので驚きましたよと」話しておられました。
「あんた子供の扱い上手いねー」と渚さんに褒められました。前日河合先生の子供操縦術を見ていたので其れが役に立ちました。
終ってから渚さんと娘さんと一緒にコーヒーを飲みながら1時間半位おしゃべりを楽しんで帰りました。
演じる前には「どたばた」「はらはら」で大変でしたが、終ってからは良い気分がじんわり湧き上がるような素敵な出演でした。
他の約束をキャンセルして出演してくれた鳥海さんと、この様な良い機会を与えてくれて司会までしてくれた植木さんに感謝します。
何時も共演してシルクマジックで最後を飾ってくれるうちの奥さんにも一寸感謝です。（２００７年１２月１５日 記）
|
